チューニング

リカーブのセンタリング調整|リムと弦のセンターからセンターショットまで

リムのセンター合わせと矢のセンターショットを、順番に確認するリカーブの調整ガイド。後ろから見る位置、右射ち・左射ちの違い、プランジャーの出し入れとバネ圧の区別を整理します。

By 編集部 8 min

2026年9月19日 更新

リカーブのセンタリング調整|リムと弦のセンターからセンターショットまで

画像: AI生成(調整準備の参考イメージ。特定製品や調整手順を示す写真ではありません)

リカーブのセンタリングは、弓の中心線を確かめてから、矢を置く左右位置を決める作業です。最初にプランジャーを回すと、基準となる弦そのものがずれていた場合に、何を合わせたのか分からなくなります。

この記事では、サイト・アローレスト・プランジャーを使い、指で弦を離すターゲットリカーブを対象にします。「右射ち」は右手で弦を引く構え、「左射ち」は左手で引く構えです。左右の説明は、すべて射手側から的方向を見た向きに統一します。

センタリングで調整する二つの場所

作業確認するもの調整する場所
リムアライメント上下リムと弦、ハンドルの整列ハンドルのリムアライメント機構
センターショット中心を通る弦に対する矢先の左右位置プランジャーの取り付け位置・突き出し量

同じプランジャーでも、突き出し量とバネ圧は別の設定です。前者は静止した矢の置き場所、後者は矢から横方向の力を受けたときの押し戻し方に関わります。センターショットを合わせる段階では、バネ圧まで一緒に変えないようにします。

リカーブハンドルに取り付けられたプランジャーの実物写真
プランジャーの取り付け例。製品ごとのネジの操作方向を示す写真ではありません。写真:Hartmut Stoepler「Button-recurvebogen-1.jpg」、CC BY-SA 4.0。原画像を改変せず転載。

1. 元の設定を記録する

適合する六角レンチ、リムのセンターゲージ、弓を安定して置ける台、普段使う矢を用意します。作業前には、上下のリム取り付け部とプランジャーの位置を撮影しておきましょう。ブレースハイト、ティラー、プランジャーの設定も記録すると、調整前に戻しやすくなります。

調整ネジを緩める前に、使用するハンドルの説明書を確認してください。 左右調整用のネジ、固定用のネジ、ポンドやティラーに関わるリムボルトは役割が違います。弦を外す必要があるか、どこまで動かせるかも機種ごとに異なります。説明書で操作を特定できなければ、販売店や指導者に確認してから進めます。Hoyt製品なら公式のマニュアル一覧から年式・機種に合うものを探せます。

矢をつがえて確認するときは安全な的方向へ向け、静止状態で位置を見ます。空射ちはしません。ネジの操作中は矢を外しておきます。

2. 弦と上下リムの中心をそろえる

Beiterのリムラインゲージの説明書では、上下リムのハンドルに近い位置にゲージを付け、弓の真後ろから弦と基準線の関係を見る方法を示しています。

  1. 上下リムに、対応するサイズのゲージを取り付けます。
  2. 弓をねじらずに安定させ、射手側から弦を見ます。
  3. 上下両方のゲージの中央に、弦が同時に通って見える位置を探します。
  4. 片方だけ合ってもう片方が外れる場合は、リムの装着状態とハンドルのアライメントを確認します。
上下のリムのハンドル寄りにゲージを置き、弦が両方の中央を同時に通るか確認する模式図
編集部作成。Beiterの説明する観察位置を独自に図式化したものです。左右の移動量やネジを回す向きは表していません。

見る位置を左右へ動かすだけでも、弦と矢の重なりは変わります。上のゲージを見るときと、矢先を見るときで目の位置を変えないことが大切です。写真で比較するなら、カメラの位置も固定します。

必要な調整は、使用機種の説明書に従い、一か所ずつ少量で行います。再び弦を張って観察し、固定後にも位置を確認します。「右のネジを締めれば必ず右へ動く」といった共通手順は、機構が違うハンドルには当てはまりません。

ゲージを上下で合わせられない、弦がリム先端の溝から外れそうになる、調整限界に達してもずれが残る場合は、そこで作業を止めます。取り付けの不整合やリムのねじれなども点検対象で、センタリングだけで直せるとは限りません。

3. 矢先を弦の少し外側に置く

弓の中心線が確認できたら、普段使う矢をレストに載せます。上下ゲージに対して弦を合わせた視点のまま、矢先が弦のどちら側に見えるかを確認します。

EastonのArrow Tuning and Maintenance Guideの印刷ページ2〜3では、指でリリースする弓の初期設定として、ポイントの先端を弦より少し外側に置きます。右射ちは左、左射ちは右です。同ガイドの目安は 1.6〜3.2mm、またはそれ以下。これは初期位置の目安であり、全員が3.2mmにそろえる指定ではありません。

射手側から見たセンターショットの模式図。右射ちは弦の左、左射ちは弦の右に矢先を少し出す。左右とも上下リムの中心に弦を合わせて観察する
編集部作成。矢先と弦の左右関係だけを示す模式図です。間隔は説明のため誇張しており、実寸や矢の角度を表していません。

プランジャーの取り付け位置を調整して、矢の左右位置を変えます。固定方法は製品の説明書に従ってください。矢でボタンを押し込んだ状態ではなく、自然にレストに載っている状態で確認します。

この段階で矢先を弦の真裏に隠すことを目標にしないでください。指で離した矢の横方向のたわみとプランジャーの動きがあるため、静止時の見た目だけでは最終的な適否を決められません。

レストの支え方も確認する

センターショットを動かしたら、矢がレストに安定して載っているかも見直します。Eastonは、上から見てレストのアームがシャフトの外側へ出すぎないことと、矢を十分に支えることの両方を示しています。矢を細いもの・太いものへ替えた場合も、この確認をやり直します。

4. 固定してから、射って確かめる

ここまででできたのは、実射チューニングに進むための初期設定です。実射前にゲージを外し、各固定部、弦の掛かり、矢の支持を確認します。まずは確実に的へ収められる短い距離で、異音や接触がないか確かめます。

その後はベアシャフトチューニングの方法へ進み、上下方向の状態を確認してから左右を詰めます。左右の着弾差には、スパインやリリースなども関係するため、ベアシャフトの位置だけでリムのセンターがずれているとは判断できません。

編集部からの記録の提案:微調整は、一つの条件を変えたら複数エンドを射ち、元の設定でもう一度比較します。例えばセンターショットを試す日は、バネ圧・サイトの左右位置・矢をそろえて比較すると、何が効いたのかを追いやすくなります。これは検証の進め方の提案で、メーカー指定の回転数や合否基準ではありません。

記録するもの記入例
変更箇所プランジャーの突き出し量のみ
変更前後基準位置の写真、そこから動かした量
固定した条件同じ矢、同じバネ圧、同じ距離
結果複数エンドの着弾写真、まとまり、接触の有無
戻して比較元の設定でも同じ傾向が再現するか

一度よいグループが出たことより、設定を戻したり、別のエンドを射ったりしても傾向が再現するかを重視しましょう。

迷ったときの確認順

気になる状態最初に確認すること
見るたびに矢先の位置が違う上下ゲージに弦を合わせたまま見ているか、弓をねじっていないか
固定すると位置が変わる締め付け時に調整部が一緒に動いていないか
弦は合うのに矢だけ大きく外れるプランジャーの取り付け位置と矢の載り方
サイトを左右へ大きく動かしたくなる視線・弦の見え方・グリップの再現性も含めて確認
上下リムの基準がどうしても合わない機種の説明書と装着状態を再確認し、販売店へ点検を依頼

センタリングをやり直すときは、リムと弦、矢の置き位置、実射結果の順へ戻ります。基準となる写真と設定を残しておけば、調整が進まなくなっても出発点を取り戻せます。

参考資料

資料確認日:2026年9月19日。本文の作業の組み立て方、記録表、確認順は編集部による整理です。機種固有の操作手順・調整範囲は、使用製品の説明書を優先してください。