リカーブのセンタリング調整|リムと弦のセンターからセンターショットまで
リムのセンター合わせと矢のセンターショットを、順番に確認するリカーブの調整ガイド。後ろから見る位置、右射ち・左射ちの違い、プランジャーの出し入れとバネ圧の区別を整理します。
2026年9月19日 更新
画像: AI生成(調整準備の参考イメージ。特定製品や調整手順を示す写真ではありません)
リカーブのセンタリングは、弓の中心線を確かめてから、矢を置く左右位置を決める作業です。最初にプランジャーを回すと、基準となる弦そのものがずれていた場合に、何を合わせたのか分からなくなります。
この記事では、サイト・アローレスト・プランジャーを使い、指で弦を離すターゲットリカーブを対象にします。「右射ち」は右手で弦を引く構え、「左射ち」は左手で引く構えです。左右の説明は、すべて射手側から的方向を見た向きに統一します。
センタリングで調整する二つの場所
| 作業 | 確認するもの | 調整する場所 |
|---|---|---|
| リムアライメント | 上下リムと弦、ハンドルの整列 | ハンドルのリムアライメント機構 |
| センターショット | 中心を通る弦に対する矢先の左右位置 | プランジャーの取り付け位置・突き出し量 |
同じプランジャーでも、突き出し量とバネ圧は別の設定です。前者は静止した矢の置き場所、後者は矢から横方向の力を受けたときの押し戻し方に関わります。センターショットを合わせる段階では、バネ圧まで一緒に変えないようにします。
1. 元の設定を記録する
適合する六角レンチ、リムのセンターゲージ、弓を安定して置ける台、普段使う矢を用意します。作業前には、上下のリム取り付け部とプランジャーの位置を撮影しておきましょう。ブレースハイト、ティラー、プランジャーの設定も記録すると、調整前に戻しやすくなります。
調整ネジを緩める前に、使用するハンドルの説明書を確認してください。 左右調整用のネジ、固定用のネジ、ポンドやティラーに関わるリムボルトは役割が違います。弦を外す必要があるか、どこまで動かせるかも機種ごとに異なります。説明書で操作を特定できなければ、販売店や指導者に確認してから進めます。Hoyt製品なら公式のマニュアル一覧から年式・機種に合うものを探せます。
矢をつがえて確認するときは安全な的方向へ向け、静止状態で位置を見ます。空射ちはしません。ネジの操作中は矢を外しておきます。
2. 弦と上下リムの中心をそろえる
Beiterのリムラインゲージの説明書では、上下リムのハンドルに近い位置にゲージを付け、弓の真後ろから弦と基準線の関係を見る方法を示しています。
- 上下リムに、対応するサイズのゲージを取り付けます。
- 弓をねじらずに安定させ、射手側から弦を見ます。
- 上下両方のゲージの中央に、弦が同時に通って見える位置を探します。
- 片方だけ合ってもう片方が外れる場合は、リムの装着状態とハンドルのアライメントを確認します。
見る位置を左右へ動かすだけでも、弦と矢の重なりは変わります。上のゲージを見るときと、矢先を見るときで目の位置を変えないことが大切です。写真で比較するなら、カメラの位置も固定します。
必要な調整は、使用機種の説明書に従い、一か所ずつ少量で行います。再び弦を張って観察し、固定後にも位置を確認します。「右のネジを締めれば必ず右へ動く」といった共通手順は、機構が違うハンドルには当てはまりません。
ゲージを上下で合わせられない、弦がリム先端の溝から外れそうになる、調整限界に達してもずれが残る場合は、そこで作業を止めます。取り付けの不整合やリムのねじれなども点検対象で、センタリングだけで直せるとは限りません。
3. 矢先を弦の少し外側に置く
弓の中心線が確認できたら、普段使う矢をレストに載せます。上下ゲージに対して弦を合わせた視点のまま、矢先が弦のどちら側に見えるかを確認します。
EastonのArrow Tuning and Maintenance Guideの印刷ページ2〜3では、指でリリースする弓の初期設定として、ポイントの先端を弦より少し外側に置きます。右射ちは左、左射ちは右です。同ガイドの目安は 1.6〜3.2mm、またはそれ以下。これは初期位置の目安であり、全員が3.2mmにそろえる指定ではありません。
プランジャーの取り付け位置を調整して、矢の左右位置を変えます。固定方法は製品の説明書に従ってください。矢でボタンを押し込んだ状態ではなく、自然にレストに載っている状態で確認します。
この段階で矢先を弦の真裏に隠すことを目標にしないでください。指で離した矢の横方向のたわみとプランジャーの動きがあるため、静止時の見た目だけでは最終的な適否を決められません。
レストの支え方も確認する
センターショットを動かしたら、矢がレストに安定して載っているかも見直します。Eastonは、上から見てレストのアームがシャフトの外側へ出すぎないことと、矢を十分に支えることの両方を示しています。矢を細いもの・太いものへ替えた場合も、この確認をやり直します。
4. 固定してから、射って確かめる
ここまででできたのは、実射チューニングに進むための初期設定です。実射前にゲージを外し、各固定部、弦の掛かり、矢の支持を確認します。まずは確実に的へ収められる短い距離で、異音や接触がないか確かめます。
その後はベアシャフトチューニングの方法へ進み、上下方向の状態を確認してから左右を詰めます。左右の着弾差には、スパインやリリースなども関係するため、ベアシャフトの位置だけでリムのセンターがずれているとは判断できません。
編集部からの記録の提案:微調整は、一つの条件を変えたら複数エンドを射ち、元の設定でもう一度比較します。例えばセンターショットを試す日は、バネ圧・サイトの左右位置・矢をそろえて比較すると、何が効いたのかを追いやすくなります。これは検証の進め方の提案で、メーカー指定の回転数や合否基準ではありません。
| 記録するもの | 記入例 |
|---|---|
| 変更箇所 | プランジャーの突き出し量のみ |
| 変更前後 | 基準位置の写真、そこから動かした量 |
| 固定した条件 | 同じ矢、同じバネ圧、同じ距離 |
| 結果 | 複数エンドの着弾写真、まとまり、接触の有無 |
| 戻して比較 | 元の設定でも同じ傾向が再現するか |
一度よいグループが出たことより、設定を戻したり、別のエンドを射ったりしても傾向が再現するかを重視しましょう。
迷ったときの確認順
| 気になる状態 | 最初に確認すること |
|---|---|
| 見るたびに矢先の位置が違う | 上下ゲージに弦を合わせたまま見ているか、弓をねじっていないか |
| 固定すると位置が変わる | 締め付け時に調整部が一緒に動いていないか |
| 弦は合うのに矢だけ大きく外れる | プランジャーの取り付け位置と矢の載り方 |
| サイトを左右へ大きく動かしたくなる | 視線・弦の見え方・グリップの再現性も含めて確認 |
| 上下リムの基準がどうしても合わない | 機種の説明書と装着状態を再確認し、販売店へ点検を依頼 |
センタリングをやり直すときは、リムと弦、矢の置き位置、実射結果の順へ戻ります。基準となる写真と設定を残しておけば、調整が進まなくなっても出発点を取り戻せます。
参考資料
- Beiter「Limb Line Gauges — Tips & Tricks」:ゲージの取り付け位置と後方からの確認方法。
- Easton「Arrow Tuning and Maintenance Guide」:印刷ページ2〜3、矢のセンタリングとレストの初期設定。
- Hoyt 公式マニュアル一覧:ハンドルごとの調整手順を確認する入口。他社製品では各メーカーの説明書を参照してください。
資料確認日:2026年9月19日。本文の作業の組み立て方、記録表、確認順は編集部による整理です。機種固有の操作手順・調整範囲は、使用製品の説明書を優先してください。